海外企業との交渉で求められる「海外の風」とは?

今日は冬至、そして今年もあと残り10日を切りました。1年って本当に早いですね。

2022年は各国のコロナ対策が緩和され国境を越えて移動しやすくなりました。とは言え、私はまだ海外へは行けていないのですが…

海外と言えば、例年通り今年も横浜市経済局の関連機関である、(公財)横浜企業経営支援財団の国際ビジネスアドバイザーとして、ドイツの医療系展示会に出展する横浜市企業数社のサポートを担当させて頂きました。いつもブログでは、「輸入」をメインにお伝えしているのですが、実は秘かに輸出のサポートもしています。

残念ながら、私は今回ドイツには行けず日本でお留守番だったのですが、今年も新規で海外展示会に出展する企業数社に向けて、出発前の準備や海外企業との商談アポイント設定、帰国後の見積作成やフォローアップ等、対海外企業への対応などに関して色々と実践的なアドバイスやサポートをしています。

そんな中、展示会出展に同行したプロジェクトの担当者から「大久保さんは、日本にいながら海外の風を感じさせますね。ずっと日本にいるのに、海外の感覚を維持しているのはスゴいです!」というお言葉をいただきました。私的には、いつも日本人的感覚をキープしているつもりだったのですが、私に対する周りの評価はどうやら違ったようです(笑)

ところで、この「海外の風」っていったい何でしょう?

 

「海外の風」の正体“!?

私が醸し出す「海外の風」の正体はいったい何のか?に関して言えば、恐らく従来からの日本の習わしとは異なる考え方や価値観、常識を持ち合わせていて、周りがその感覚に違和感を持つと同時に、新鮮に映るため「海外の風」と表現されたようです。

まぁ、簡単に言ってしまえば、「日本人らしくない」ということですね。

 

海外企業との交渉でのNG対応とは?

先日ドイツ展示会に出展した企業様から海外展開について相談を受けました。その企業様は、ある海外企業から見積依頼を受けました。ところが、海外企業との取引に不慣れなこともあり、日本の商習慣を海外の商取引にそのまま当てはめようとしていました。

実はこれ、とっても危険なのです!例えば日本企業間の支払い条件は月末締め・翌月末払いが最も一般的ですが、国際貿易では、このような好条件はなかなかお目見えしません。海を渡った向こう側にいる取引先が代金を確実に支払ってくれる保障はどこにもありません。その為、通常は50%頭金をいただく等何らかの形でリスクを軽減するのが一般的ですので、日本国内との取引とは商習慣が異なります。

そのため、その企業様は海外企業が要望する取引条件を先にヒアリングしてから見積書を作成しようとしていました。もうこれは、国際貿易では絶対やってはいけないNG対応です。

なぜNG対応なのか分かりますか? それは、相手の要望を先に聞いてしまっては、そこを軸に交渉をスタートせざるを得なくなるからです。先に相手に委ねてしまうと、交渉の主導権を譲ることになり、圧倒的に不利になるのです。相手のことを慮る、日本らしい配慮や優しさが仇となるワケです。これでは上手く行くハズの交渉も絶対に上手くいきません。

 

海外企業との交渉で求められる「海外の風」とは?

ではどうするのかと言うと、まずは先に自分の意思表示を明確にすることです。先に、ウチの取引条件はこうですと言い切ってしまうのです。そこから相手と交渉を重ねてお互い納得の行くところまで協議を続けるのがベストな対応です。

これは輸出・輸入にかかわらず海外企業との商談では、先に明確に意思表示をして、交渉の主導権を握ることがマストです。これが世界のスタンダードなのです。

 

 

ところが、こういう話をすると、どうやらとても「強気」に映るようです(笑) そこに違和感を覚えつつ、この感覚が逆にとても新鮮で、それが「海外の風」ということになるのでしょう。「海外の風」とは、自分主導で交渉を展開するために必要な考え方であり、心構えとも言えます。

今すでに海外企業との輸出入のビジネスをスタートさせている、もしくはこれからチャレンジしようとしている方には、是非「海外の風」を全身に浴び&吸収しながら、国際感覚を磨いて、貿易というビジネスを更に進化させて、楽しんでいただきたいと思います。

 

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