翻訳ソフトを活用して、上手く交渉を進めるための3つのポイント

最近の翻訳ソフトや翻訳アプリは、本当に驚くほど精度が高いですね。何を隠そう、海外企業との交渉窓口を業として請負っている私も、お仕事でよく翻訳ソフトやアプリを活用しています。と言うと、英語ができるんだから、そもそも翻訳ソフトなんか必要ないでしょ!ってツッコまれそうですよね。

まぁ、確かにおっしゃる通り、翻訳ソフトがなくても、問題なく日本語⇔英語の通訳や翻訳はできます。でも、翻訳ソフトを活用した方が圧倒的に楽な上、作業スピードが上がります。日々進化するディープラーニングを用いた優秀&便利なツールがあるのに、わざわざゼロからマニュアルで作業するなんて、学校の勉強や何かの訓練じゃあるまいし、効率が求められるビジネスシーンにおいてはナンセンスですよね(笑) 個人的には、便利なツールはどんどん有効活用すべきだと考えています。

こういう話をすると、じゃあ輸入ビジネスで海外メーカーと交渉するのも、翻訳ソフトを上手く活用すれば何とかなりそうですね…と思いますよね。実際に、輸入ビジネスや個人貿易、海外クラウドファンディングの手法を教えている多くのスクール等では、翻訳ソフトを駆使して海外メーカーと交渉するように指導しています。ただし、翻訳ソフトに100%頼り切ってしまうのはとてもリスクが高いため、海外メーカーとの交渉で翻訳ソフトを活用する時の注意点をお伝えします。

 

 

翻訳ソフトを活用して、上手く交渉を進めるための3つのポイント

最近の翻訳ソフトは、ちょっとした会話や挨拶程度のやり取りであれば、ほぼ完璧に翻訳してくれます。ここは本当に感動レベルです。ところが、翻訳ソフトというツールを活用して、複雑な交渉を上手く進めるためには、翻訳ソフトの役割を最初にきちんと理解しておく必要があります。そこで、翻訳ソフトで上手く交渉を進めるために絶対に知っておくべき3つのポイントについてお伝えします。

 

① 翻訳ソフトは直訳のみと理解する

まず、翻訳ソフトができるのは直訳のみということです。行間を読んだり、前後の文脈から言葉を整えるなど、あなたの想いを汲み取って、上手に意向を伝えてくれるような編集機能は備えていません。また見落としがちですが、日本語では「誰が」、「誰に」など主語や目的語が抜けている文章が多く、さらに婉曲したYESともNOとも取れる言い回し等は、翻訳ソフトが誤訳する原因となります。最悪の場合、意図していることとは真逆に伝わってしまうといったトラブルに発展してしまいます。翻訳ソフトというツールを上手く使いこなすには、今更ですが、適切に翻訳ソフトが翻訳できるように、まずは日本語を整えることが大切ですね。特に、日本語→英語に翻訳する場合は細心の注意を払いましょう。

 

② 文化や商習慣の違いを理解する

日本には日本の、外国には外国の異なる文化や商習慣が存在します。日本のビジネスメールによく見られる、「いつもお世話になっております」や「宜しくお願い致します」など、大した意味のない文言は海外では一切不要です。逆に、ご丁寧な長文や要領を得ない文面は外国人に嫌われます。短く、端的かつクリアなコミュニケーションを心掛けることが大切ですね。

こういった文化や商習慣の違いを理解しないまま翻訳ソフトを活用すると、知らない内に相手をイライラ&不快にさせていることもあります。交渉や商談をはじめとするビジネスシーンでは、翻訳ソフトで翻訳して終わりではなく、その後さらに相手方に伝わりやすくなるよう、短くクリアな文面に編集するくらいの慎重さが求められます。

 

③ 貿易の専門用語を理解する

輸入ビジネスに関する交渉には、インコタームズ(INCOTERMS)をはじめとする貿易の専門用語が多用されます。残念ながら、翻訳ソフトがこの貿易の専門用語を適切に翻訳してくれることは殆どありません。専門用語が理解できず、交渉していても話が全く噛み合わないとなると余計な時間が掛かってしまうため、上手くいくハズの交渉も失敗に終わる可能性もあります。スムーズに交渉を進めるには、日頃から貿易に関する知識を深めておくことが大切です。

インコタームズに関する詳しい説明はこちら↓↓↓

貿易におけるDAP、DPU、DDP 3つの規則とは?インコタームズ(貿易条件)について

 

翻訳ソフトの落とし穴を知る

翻訳ソフトは作業効率を飛躍的にアップしてくれる便利なツールではあるものの、残念ながら上手く言葉を編集したり、直接的に交渉力を補うものではありません。翻訳ソフトを活用して上手く交渉を進めたいのであれば、100%翻訳ソフトに頼ってしまうことで逆にリスクが発生するといった落とし穴があることを理解しておくことが大切ですね。

 

もし、これまでの翻訳ソフトの活用方法に疑問を感じたり、今まで海外企業との交渉経験がない、もしくは実践に慣れていない等の理由から自信が持てなかったり、交渉自体に不安を抱えている場合は、一人で悩まないで是非ご相談ください。

間違ったやり方をそのまま放置して進めることは大きなリスクとなります。また、思わぬ遠回りをすることになりかねません。オーケービーコーディネートでは、誰もが抱える不安や課題に対し、個々のケースに寄り添いながらサポートさせて頂きます。

 

最後に、現在海外メーカーと取引をしている、もしくはこれから取引を検討している方に朗報です!

海外企業との直接取引に向けて、その交渉をどう進めて良いのか分からない、貿易の専門用語が多くてコミュニケーションが取りにくいなどの課題を抱えている場合、ぜひ以下より実践交渉マニュアルA to Zをダウンロードすることをおすすめします。

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