輸入ビジネスとクラウドファンディングは相性抜群!の落とし穴
これから輸入ビジネスを始めたり、事業として起業するにあたり、あまり先立つ資金がないから、まずはクラウドファンディングで資金調達から…と考えている方、結構いらっしゃいますよね?
クラウドファンディングは、世の中にまだ存在しない、面白い商品やサービスの創造に向けた様々な挑戦を後押しするためのプラットフォームであり、その挑戦者の想いに共感し、夢の実現を応援したいという方の資金が集まる枠組みになっています。
ですので、世の中にまだ存在しない新規性とオリジナル性を兼ね備えた商品やサービスを実現するクラウドファンディングと日本未上陸のオリジナル性の高い海外商品が調達できる輸入ビジネスとは相性抜群!ということになります。
輸入ビジネスとクラウドファンディングの相性について
世の中にまだ存在しないモノやサービスを創り出す新規性やオリジナル性という点において、クラウドファンディングと輸入ビジネスには多くの共通点があり、相性は抜群です。
実際に、私のクライアントの取引先である海外メーカーが、まだ開発中の新商品でキックスターター(kickstarter)という米国のクラファンに出品したところ、日本からの問合せが殺到しました。幸い、独占販売権を取得していたので、日本からの引き合いは全て私のクライアントの元に転送されて来たのですが、ものすごい件数でしたね。
海外クラウドファンディングは新規商材の宝庫です。それだけ多くの方が海外クラウドファンディングのサイトから新規商材を発掘して、国内クラファンもしくは輸入ビジネスに繋げようとしているということです。
輸入ビジネス x クラウドファンディングの落とし穴
繰り返しになりますが、新規性とオリジナル性という点において、輸入ビジネスと海外クラウドファンディングは非常に相性が良い
ということは間違いありません。でも、そこにもやはり見落としてしまっている「落とし穴」というものがあるので、これから注視すべき3のポイントについてお伝えしていきます。
落とし穴① 独占販売権の取得
輸入商品で国内のクラウドファンディングに挑戦するには独占販売権を取得する必要があります。
そして独占販売権を取得するには、通常、海外企業からある程度の数量の確約が求められます。クラウドファンディングで目標数値が達成できればWin-Winとなるのですが、問題は、その後です。
クラウドファンディングの後、その商品をどうやって販売していくのか?ということですね。この後のプランを立てずに独占販売権を取得して、クラウドファンディング以外の販路展開を考えていないというのは、あまりに無責任ですし、最悪、取引先との信頼関係が崩れる恐れがあります。
落とし穴② 継続性
新規性が求められるクラウドファンディングでは、同じ商品で2回挑戦することは原則できません。
となると、最初にクラファンで露出を増やし、大きな花火を打ち上げるという点においては、とても効率的な宣伝になりますし、テストマーケティングにはちょうど良いですよね。ただ、その宣伝効果の持続性はあまりありません。
しかも、クラウドファンディングという性質上、リターンは基本的には返礼品です。となると、はじめから比較的安めに価格設定されていたり、大幅な値引きをした特別価格を提示しているケースが多いのですが、実は、これがビジネスの継続性に大きく影響するのです。
一度提示した価格は、たとえクラウドファンディングや何かの特別企画であっても次に値上するのは容易ではないということを念頭に置いてプロジェクトを組み立てる必要があります。幸運なことに、企業から引き合いが来ても、掛け率や仕切り価格が合わない…なんてことも十分あり得ますので。
落とし穴③ 顧客ターゲットの設定
国内大手のクラウドファンディング「CAMPFIRE」の統計データから、顧客ターゲットとして設定すべき顧客層を探ることができます。例えば、おおよその
【ユーザー性別割合】
男性:53%
女性:46%
【ユーザーの年齢層】
20代:20%
30代:27%
40代:26%
50代:17%
20~50代で全体の90%以上を占めています。
【ユーザーの地域別割合】
首都圏:42%
近畿:16%
東海:11%
都市部だけで約70%を占めています。
統計を確認すると、ユーザーのボリュームゾーンやライフスタイルが浮かび上がってきます。つまり、裏を返すと若年層や地方の高齢者をターゲットにしたクラファンでは目標達成のハードルが高くなるということになります。
クラファンの成功率を上げるにはボリュームゾーンを顧客ターゲットとして設定し、彼ら彼女らにハマる商品で勝負することが一番効率が良いという結論に辿り着きます。となると、商品やサービスによって達成しやすいプロジェクトと達成し難いプロジェクトに二分されてしまいます。そこで、誰に何を伝えたいのか?が重要となります。
輸入ビジネスとクラウドファンディングで重視すべきポイント
でも、ここで一度立ち止まって考えてみて欲しいのです。
そもそも何のためにクラファンをするのか?
その商品やサービスが大好きで本気で世のため人のために役立つと誇りを持って取り組んでいるか?
クラファンを達成させること自体が目的になってしまっていないか?
ということを。
確かに、輸入ビジネスとクラウドファンディングは相性抜群です。でも、せっかく夢と浪漫溢れる輸入というビジネスに関わるなら、数字や達成という目先の成果だけを追うのではなく、自分の輸入ビジネスは何のために、もしくは誰のためにあるのか?ビジネスを通じて何を成し遂げたいのか?をきちんと整理した上で取組むことが大切です。
一番シンプルで本質的な軸がブレてしまって、輸入ビジネスが迷走してしまわないよう、しっかり自分自身と向き合ってくださいね。
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自分だけが扱える海外商品の直接取引をコーディネートする貿易戦略コンサルタント。
中小の専門商社及び輸入車インポーターにて20年間に渡り、15ヵ国・100社以上の海外企業との交渉や売買・独占販売契約の締結、貿易実務、国際物流など海外業務全般に携わる。また、米国ラスベガスでの就労経験も持つ。
言語の壁、貿易の経験や知識不足等により海外ビジネスに積極的に取組めない中小企業が商社に頼らず、直接取引を実現するための支援サービスを提供している。
2019年4月より(公財)横浜企業経営支援財団にて横浜市企業のための国際ビジネスマッチングや海外展開も支援中。
2020年4月より(一社)Glocal Solutions Japan 認定専門家 「貿易戦略コンサルタント」として活動中。