中小企業・個人には圧倒的に不利！ 輸入ビジネス薄利多売の罠

今年もあと残り僅かですね。世間はクリスマスムード真っ只中なのに、この年末にとんでもないニュースが飛び出しました。

トヨタ自動車の子会社でもある、ダイハツの安全認証試験の不正が発覚し、国内外のほぼ全ての車種を出荷停止する事態に。しかも、34年前からずっと不正が見過ごされてきたというから、さらに驚きです。これは天文学的な（？）台数の出荷車両の安全性に関わる問題であり、国交省の判断にもよりますが、想像を絶する数の車両がリコール対象になるのではないかと勝手ながら心配しています。その影響で、トヨタ自動車の株価は大幅安。親会社トヨタへの影響も計り知れません。

とは言え、今回の不正問題を受け、リコールを実施したとしても、誰もトヨタ自動車が倒産するとは考えないでしょうし、私自身もそれはないと思います。ですが、これが中小企業だったら、どうでしょうか？これまで累計何万、何十万個と販売してきた商品が、リコールとなっても持ち堪えられる体力はあるのでしょうか？恐らく、大半が即倒産です。

 

輸入ビジネスで薄利多売の罠

実は、これまであまり表立って伝えてこなかったのですが、私自身も過去に自分が勤めていた会社がリコールによって突然倒産したという
苦い経験があります。

当時、私が勤めていた会社は、食品保存容器を輸入販売していて、TVショッピングや量販店では１日何万個と売れる大人気商品に成長していました。でも、手放しでは喜べない状況でした。

ヒット商品となったため、市場に類似商品が溢れ始め、となると当然卸価格は叩かれまくり、１セット数百円程度の利益しか出ない
超薄利なビジネスに転落。でも、トータルで大きな利益を狙うという経営判断の下、海外から貨物が到着したら即、取引先の倉庫に輸送コンテナでバンバン直納という荒業を繰り出して、不要なコストを極限まで削減していました。しかも、大量に仕入れても、どんどん売れまくり、嬉しい悲鳴が！

ところが、そんな嬉しい悲鳴はそれほど長く続きませんでした。販売数量が増えるに従って、商品の品質がどんどん不安定になっていきました。無理を押して、かなりの短納期で海外工場に製造させていたことが明らかな原因なのですが、当時は納期に間に合わせることが最優先で品質管理がおざなりになっていました。

そこから品質の不安定さを問題視し始めた取引先の判断で、これまで販売した全ての商品をリコールする方向で話が進みました。

 

 

これまで何十万個、もしかすると何百万個と販売してきた商品の交換だけでも莫大な金額で、リコールとなると、そこに更に往復の運賃や手間賃を負担することになります。バンバン売れまくっていた流れが、一気に逆回転で巻き戻っていく…そんな感覚でしたね（泣）

ハッキリ言って、これまでずっと薄利多売で、ほぼ自転車操業なワケですから、リコールに対応する資金的な余力なんて会社にあるハズもなく…結局、敢えなく倒産という道を辿ることになりました。

 

薄利多売は中小企業・個人には圧倒的に不利！

恐らく、今回トヨタやダイハツが同じ道を辿るとは思えません。資金力もあり、それなりの利益もしっかり確保しているからです。ですが、殆どの中小企業はリコールや大きなトラブルには耐えられません。薄利多売のビジネスでは何かのトラブルをキッカケに、すぐに利益が吹き飛んでしまう、もしくはビジネス自体が飛ぶリスクと常に背中合わせの状態です。特に、単価が安い＆利益率が低い輸入ビジネスは、怖いんです。なにかあったら海外メーカーではなく、まず輸入者が責任を負うことになり、その責任から逃がれることはできません。だから輸入ビジネスは、単なる流通業ではないことをキチンと認識しておく必要があります。

 

 

私は、私自身が経験した苦く悔しい想いを誰にもして欲しくありません。だから、何度でも言います！

低価格商品での薄利多売は、スモールビジネスには向きません！！

この類の商品は絶対に避けるべきで、中小企業や個人事業では高単価、付加価値の高い商品での厚利少売しか勝ち目はないのです。中小企業や個人事業主の方が、これから輸入ビジネスを始めるなら厚利少売を実現するための輸入商品選び、ビジネスの構築に徹底的にこだわってください。

そのためには、どうすれば良いのか？の相談には喜んで乗りますので、いつでもご相談ください。