1ドル=150円突破&過去最大級の値上げラッシュ!輸入ビジネスはどうなる?
10月初旬に、再び為替相場がザワつきましたね。遂に1ドル=150円を突破してしまいました。円安は、輸入に携わる者にとってはボディーブローのように効いてきます。というより、もはやそんな生易しいものではありませんね。
1ドル=150円突破すると、どうなる?
急激な円安が進む前の2022年3月をベースに比較すると、35%以上円安に振れています。つまり単純に考えると、為替だけで輸入商品の仕入れ値が35%UPした計算になります。そこに世界中のインフレが加わって、2022年年初から比べると仕入れ値が50%位値上がりしていることになります。
ところが、仕入れ値が1.5倍になったとしても、消費者に全て価格転嫁をするワケにはいかず、身を切っている方もきっと沢山いらっしゃることでしょう。
売れば売るだけ赤字になる.…
周りがまだ価格据え置きだから…
客離れが怖くて値上できない…
いつか円安もインフレも落ち着くから、いま耐え抜けば…
残念ですが、そんな商売はもはや商売とは言えません。1日も早く手を打って利益を回復する必要があります。
過去最大級の値上げラッシュに対応するには?
シンプルに考えると、過去最大級の値上げラッシュに対応しながら、利益を増やす方法はたった2つです。
① 仕入れ値を下げる
② 販売価格を上げる
実に単純です。現状で考えると、仕入れ値は円安&インフレで下げるどころか上がっていますので、選択肢は価格を上げる一択です。
ところが、一般的には、値上げをすることでお客様が減る、売れなくなるといった弊害があるため、値上げを躊躇する経営者は沢山います。そんな中、値上げに関するとても面白いニュースを見つけたので、ちょっと共有したいと思います。
上手い値上げ方法 ①
実は、この過去最大級の値上げラッシュの中で、マクドナルドが過去最高益を更新していることはご存知ですか?一般消費者は値上げに超敏感なのに…です。
その成功要因と考えられるのが、値上げのタイミングを3度に分けた「小分けの値上げ」です。人知れず(とは言え、気付きますが…)少しずつソッと値上げをしているのです。
そして値上げのタイミングで、新商品を投入してキャンペーンを打っているのです。すごい目くらまし作戦!? そう言った意味では、期間限定商品の投入も上手く値上げに活用していますよね。
上手い値上げ方法②
もう1つ上手く値上げを成功させた例といえば、セブンイレブンのコーヒーです。お値段以上のクオリティでファンも多いのではないでしょうか?
そんなセブンイレブンのコーヒーは、100円→110円に値上げのタイミングで、コーヒーの「濃さ」を3段階で選べる新たなサービスが始まりました。顧客の好みやニーズに寄り添うことで、商品の付加価値を高め、値上げをなんとなく納得させてしまう上級生テクニックですね。さすが最強コンビニ! 値上げとサービス向上のバランスをすごく上手く取っていると感じます。
正直、いつインフレが落ち着くのか、円安から脱却できるのか、これは誰にも分かりません。全く私達のコントロールが及ばない事象です。そして、恐らく今後モノの値段が下がることは殆どないかも知れません。
輸入ビジネス成功のカギ
こうなると、今後のビジネス成功のカギは、いかに上手く値上げに踏み切れるか?ということになりそうですね。そのためにも他社がどのように値上げを行っているのか、日々ウォッチしておくことが大切です。
そして、値上げも大事ですが、実はそれ以上に大切なものがあります。それは、商品自体に価値がある、つまり「商品力」があるということです。マクドナルドのハンバーガーもセブンイレブンのコーヒーも、やはりその価格を払ってでも手に入れたいと思ってもらえるだけの商品の魅力、つまり商品力があってはじめて値上げ成功となるのです。
これは輸入ビジネスに限らず、どんなビジネスにも共通しています。お客様に価値を感じていただける、値上げに耐えうる、そんな価値ある商品を選別することが大切ですね。
輸入ビジネスでは、わざわざ海外から商品を輸入するワケですので、しっかり価値ある商品を掴んでください。もし、価値ある商品か分からない、自分では見極められないという方は、ぜひ個別にご相談ください。
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中小の専門商社及び輸入車インポーターにて20年間に渡り、15ヵ国・100社以上の海外企業との交渉や売買・独占販売契約の締結、貿易実務、国際物流など海外業務全般に携わる。また、米国ラスベガスでの就労経験も持つ。
言語の壁、貿易の経験や知識不足等により海外ビジネスに積極的に取組めない中小企業が商社に頼らず、直接取引を実現するための支援サービスを提供している。
2019年4月より(公財)横浜企業経営支援財団にて横浜市企業のための国際ビジネスマッチングや海外展開も支援中。
2020年4月より(一社)Glocal Solutions Japan 認定専門家 「貿易戦略コンサルタント」として活動中。